北稜中学生が「地域を学ぶ」学習会に参加しました。


本年度から北稜中学1年生を対象に、上宝の歴史と人物・文化財・大地(ジオ)・砂防の見学会を開催することといたしました。学校や生徒に負担を掛けないように、夏休みの貴重な1日をいただいて、地域全域を回る、非常にハードな見学会となりました。
8月17日台風は通り過ぎていましたが、朝焼けがとても綺麗だったのでどこかで雨が降ることが予測されました。午前中は上宝地域を回り、ふるさと歴史館では、佐野・長沼・上田講師から、円空・本郷村善九郎・播隆について学び、大原騒動集会の始まりとなった「小割堤」や騒動で処刑された人を偲ぶ「発願同死霊光塔」を見学し説明を受けました。本覚寺では、和尚の話と保存されている播隆が残した書物や経文石を見学し、その後のバス移動中には、本郷周辺の河岸段丘が焼岳や乗鞍岳の火山活動と高原川の浸食作用により生まれたことの説明を受け、64万年前「貝塩給源火道」の噴火により創られた「杓子の岩屋」へ30分余りかけ登り、火砕流堆積岩であることや播隆上人がこの岩屋に籠り修業し、笠ヶ岳参拝道の再興を図ったことなどを学びました。桂峯寺では、和尚から円空が作成した仏像で10万体めになった仏像と書いてあることなどの説明があり、
笹嶋の観音堂では、地元の大嶋さんより播隆が笠ヶ岳参拝道の登り口としたことや、笠ヶ岳山頂までに9体の石仏を置き道しるべにした石仏であることを学びました。
奥飛騨さぼう塾で配布した弁当で昼食をとり、奥飛騨地域のジオラマで、この地域に5億年の地質の歴史が残されている事を知り、地獄平砂防堰堤周辺で笠ヶ岳・槍穂高岳が火山噴火により誕生したことや、栃尾から神坂の山は手取層の地層であることを学び、禅通寺では和尚から、円空がこの寺に1年余り逗留したことを示す記録が残っていることや、乗鞍岳・焼岳・笠ヶ岳の渚山に登り修業したこと、里では彫像をとおし優しく念仏信仰を諭したことなどを学びました。
岩坪谷作業道の掘削された岩盤からは「「コノドント化石」が発見され、4億7600万年前の魚類の物だったこととその地層が見られることに驚き、福地空山には4億年~2億前の化石が見られ、見学歩道には「フズリナ」の生物化石が見られることに驚いていました。
平湯までの車中では、梓川の流れが64万年前の「貝塩給源火道」噴火により丹生川方面から上宝方面に変わった事、1万2千年前には焼岳火山群の白谷山・アカンダナ山の噴火により堰き止められ上高地湖が出来5千年余り存在したこと、やがて決壊し信州側に流れることなどを学びました。
平湯では篠原憮然記念館があり管理者の村山さんから、憮然の平湯での活動や飛騨地域の社会教育に尽くされた事、また全国各地での活動などを知り、聖人として生きられた生涯に感心させられていました。
初めての見学会は予定のスケジュールで終了し、帰りに各生徒をバス停で降しながら学校へ戻りました。