ジオパークモニターツアーに参加しました
掲載日:2017年07月09日
飛騨山脈ジオパーク推進協議会ではジオパーク認定に取り組んでおり、ジオサイト候補地へのモニターツアーを開催しています。
第2回目のツアーは7月8日思いもよらぬ好天に恵まれ、穂高岳周辺の火山活動についての学習会となりました。
午前9時に新穂高ロープウェイ山楽館に集合、協議会専門員の直井さんから説明を受けます。
槍・穂高岳は176万年前に活動したカルデラ火山であり穂高安山岩と名付けられ、その下に130万年前に地下3000mの所にマグマが上昇してきてゆっくり固まり滝谷花崗閃緑岩と名付けられています。
柔らかいマグマは横からの圧力により槍・穂高岳を5500m押し上げその一部が地表に現れこの花崗岩が世界一若い花崗岩となっています。
ロープウェイに乗り午前10時に登山を開始し西穂山荘を目指します。
雪も解け山野草が一斉に咲き始めており、イワナシ・ショウジョバカマ・イワカガミ・マイヅルソウ等の可憐な花が登山道の脇で私たちを楽しませてくれました。
登山道には黒い斑点の石・茶色の石等が転がっていますが、ほとんどが滝谷花崗閃緑岩と聞き素人ではとても見わけすることは難しいと感じました。
登山道が洗堀された所に、茶色の岩盤に5Cm余りの白い帯状の線が入ったところがあり、断層とのことに大きな力が加わっていると感じました。
西穂山荘からの大きな転石のある急坂には縞状に溝の入った石が多くあり、マグマが冷えて固まる時外側が動かないが内側が動くためこのような模様ができると説明されました。
丸山まで登ってくると樹林帯は終わり視界が開け、焼岳・笠ヶ岳・乗鞍岳等北アルプスの山々、遠方には高山市街や白山を眺められ、穂高岳噴火の火砕流はこの高山市街地まで到達し「丹生川火砕流」と呼ばれている事や、この丸山までが滝谷花崗閃緑岩でその先は押し上げられた穂高安山岩となる事、64万年前には福地山付近でも噴火が起き「上宝火砕流」と呼ばれ梓川の流れが高山市街から上宝側に変わったこと、笠ヶ岳も6500万年前に同じような陥没噴火をおこなったこと、隣りの樅沢岳も火山噴火した山であることを話されました。
眼下を流れる梓川が1万2千年まえに起こった白谷山・アカンダナ山の噴火により堰き止められその流れが松本市側になったことを聞き、地球の活動の大きさにただただ感心させられました。