栃尾小学校砂防学習(洞谷災害を聞く)
掲載日:2017年06月13日
栃尾小学校4年生は、総合学習で砂防について学んでいます。
6月13日の二時間目は「洞谷土石流災害」について学びました。
洞谷土石流災害は、奥飛騨温泉郷の栃尾地域で昭和54年8月22日に発生しました。大型の台風の影響で旧上宝村地域に前線が停滞し、前日からの雨量は230mmに達していました。22日は午前6時30分頃から7時30分に54mmの豪雨となり、洞谷最上流部の山が崩壊し7万立方メートルの土砂が集落を襲いました。
この災害を体験された沖本さんが、その体験談をお話しされました。
栃尾地区の住民は、洞谷が3~5年に1回洪水を引き起こす危険な渓流であることを認識しており、沖本さんは災害発生前日の夜、大雨なのに谷の水が意外に少ないことを不思議に思いながら寝られ、翌朝7時50分頃3名の宿泊客を送り出すところ、地震かと思われる大きな揺れと「ゴー」という音を聞き、慌てて玄関の戸を開くと、道路にチョロチョロと水が流れており、地域の方が「洞谷が抜けたぞー」と叫びながら走り去るのを見ました。
つかの間道路は川となり自動車がぷかぷか流れ出したので、慌てて宿泊客と家族7名は二階に上がりました。一階は既に土砂で埋まってしまい、これからどのようにして避難しようか1時間余り思案していると水嵩も少なくなってきて、消防団の方が捜索に巡回してきて二階へ板材を渡してもらい救助されました。
この災害で地元の犠牲者が一人もいなかったのは、夏休み中で学校が休みだったことや昼で普通の生活をしていた事、洞谷が危険な渓流であることを認識していた事と、中学校が集落の上部にあり体育館が堤防代わりとなり、集落への土砂が幾分少なくなったことなどをあげられました。
災害発生直後から数週間にわたり被災されなかった地域の方が、炊き出しや土砂の片づけなどを行っていただき、人々の深いつながりがあり本当に助かった、子供達にもこのような精神を守ってほしいとお話しされました。