「京大ウィークス」公開講座が開催されました


京都大学では、全国にある教育研究施設における公開講座・講演会・施設公開等を一定期間に集中して開催する企画を行ってみえます。
上宝地域には大雨見天文台・上宝地震観測所・穂高砂防観測所が置かれていますが、焼岳火山に関して共通の研究対象である上宝地震観測所・穂高砂防観測所職員による公開講座が10月17日焼岳の麓「中尾公民館」において開催されました。
防災研究所上宝観測所では大見士朗准教授による「飛騨山脈の地震と火山」と題して講演され、「焼岳は3万年前から活動を初め梓川の流路を変え、噴火頻度はマグマ噴火が数千年に1回、堆積物が残る水蒸気噴火は数百年に1回である。また、東北沖地震は国内の火山活動を活発化しており、焼岳も例外でなく地震活動が活発な状態は継続している。」と語られました。
 このため焼岳火山の研究監視観測の充実が進められており、京都大学と気象庁による観測設備の充実が行われている様ですが、水蒸気噴火を予測することはなかなか難しいとの事でした。
 防災研究所穂高砂防観測所では堤大三准教授による「山地でおこる様々な土砂災害」と題して講演され、「全国には土石流の発生の危険性がある渓流が18万箇所あり、それらを砂防堰堤等のハード対策で整備するには長い年月を必要とするのでハサードマップ等によるソフト対策が重要である。また土砂災害も土石流・崖崩れ・地すべり・深層崩壊など様々な現象があり、ハード対策には限界がある。」と語られました。
 このため斜面崩壊を予測する方法としてStream Tubeは表層崩壊には比較的有効な手段であるが、深層崩壊には適しない。深層崩壊発生予測手法として降雨と斜面地下水の状況を計測し、それらの関係から斜面の危険度を予測する方法の研究を地元小学校の裏山で実施している取り組みを行っているとの事でした。
 また、宮田秀介助教による山地河川で水・土砂はどう測るの講演も行われました。