百観音例大祭開催

 長倉の桂峯寺には百観音が祀られていますが、御本尊大聖観世音は、印度の名工毘首羯摩(びしゅかつま)の作で、天竺国王山那蘭陀寺に納められていたものが、支那(しな)に渡来し補陀(ほだ)落山に安置され、その後六百余年前に吾が紀伊国興国寺法燈国師帰朝の節、この観音を請け越中の国(富山県)大本山国(こく)泰寺(たいじ)(氷見市)に伝えられ、その後九世大梅禅師伝法の証として、延徳二年桂峯寺開山正雲和尚に与えられ、桂峯寺圓通閣(現在の観音堂)に奉安された物です。
  三国伝来の世に希なる尊き秘扉佛として、昔から飛騨一円に信者が広まり、病の回復等を願い七年に一度の御本尊開扉が行われ、百体の観音様を手渡しで奉戴する式が行われてきました。
また昔は交通の便も悪かったため、遠方の信者の招待に応じ開扉が行われ、飛騨各地の寺を会場に百観音奉戴手受式が行われていました。
  この百観音奉戴手受式も一時期参拝者が多く年数回行われていましたが、ここ数年前から減少傾向にあり、年に一度九月三日に行われています。
  現在桂峯寺では、観音様の命日となっている十八日に毎月信者が集まりお経をあげ、家内安全・交通安全等数々の願いを込めて祈願供養をする観音講が続けられています。